病院に着いたのは8時前。受付で保険会社からFAXが届いているか確認してもらう。実はこれは大切なことで、もしFAXが来ていなければキャッシュレスの診察はしてもらえない。X線を撮りたいというと、専門医の先生は10時からと言われ、どうしようかと思っていると、「I have an idea.」と内科に回してくれた。結局これで正解だった。

   私が行った病院は、外国人やタイ人富裕層向けの病院で、どの海外旅行保険でもキャッシュレスで対応してもらえる。バンコクにはそんな病院がいくつかあって、どこでも日本語通訳者もいる。日本人がよく行くのはスクムウィットにある2つの病院で、そのうちのひとつに、ケガのため行ったことがある。日本人サロンで受付をして、タイ語から日本語への通訳がずっとついてくれた。でもこのBNH病院は受付で通訳を頼むと、英語から日本語への通訳がついてくれる。以前ドライアイで眼科にかかったのだが、医師は全員英語を話されるので、2回目からは通訳を頼まなかった。ただ今回は専門用語が出てくると、私の英語力で対応できないかもしれないと不安になり、一応お願いした。でも軽く「英語、話せるじゃない。」と笑って言われた。

   内科へ行き、いつも通り身長、体重、血圧、体温と測る。タイの大きな病院は、どんな病気であれ、最初にこれらを計測するようだ。私はいつも血圧が低く、朝だと100を切ることもある。なのにこの時は120超えで驚いた。やはり緊張しているのか。しばらくして内科の先生の診察。まだ若い優しそうな女性だった。持参したレントゲンを見せて、再検査と言われたと説明する。「じゃあX線を撮って来てください」と言われ検査室へ。これもご丁寧に看護師が連れて行ってくれる。
 
489EF81A-2068-4C9E-8B97-10D3322CD190   待つこと5分。看護師さんが、丹前に似たデザインの検査着とロッカーの鍵を渡してくれ、「これを乳首に貼ってね」とNipple Patch なるものをくれた。日本でも見たこともないのでビックリ。上は全て脱いで検査着で撮影。あっという間に終わり、また看護師さんが元の内科まで連れて行ってくれた。帰りは自分で帰れるのに、なんて丁寧。
 
   内科に戻りしばらくして、先生に呼ばれ、「もう一度、CTを撮って来てください」と検査室へ逆戻り。今度はPatchもなく、検査も実質10分もかからなかった。


   15分ほどして診察室へ。「左胸に腫瘍があります。癌かどうかはわかりません。でも手術で切除した方がいいです。」 頭が真っ白になった。
  「ここは内視鏡で調べる事ができない場所なんです。だから手術して、切除して調べるしか、方法はありません。でも、左の3分の1ぐらいだから。」
   「外科の先生と詳しい話をして、ここでするか、日本でするか決めた方がいいですね。」 

   このあたりで完全に頭はパニック。何を言われているのかわからなくなり、先生に「あの・・・通訳の方をお願いしたいんです。」でもパニックのため、interpreter (通訳) を間違って translator(翻訳家) と言ってしまった。

   先生が電話をかけると5分もせず通訳の方が来られた。もう1度説明を聞き直す。だいたいの理解はしていたようだ。
   「4月に日本へ帰るんですけど、それでは遅いですか?」 
   「できるだけ早い方がいいと思います。外科の先生の予約を取りましょう。」
  ー 「日本ですることも考えて、紹介状をお願いできますか?今日のCTの結果も頂きたいのですが。」
   「わかりました。夕方には用意しておきます。」

   内科受付で確認してもらったが、その外科の先生はチュラロンコン病院の先生で、すぐに連絡がつかなかった。でも日曜日は必ずここで診察があるとのこと。夕方、紹介状を取りに来るまでに、予約の確認を取りますと言ってくれたので、午後からの授業に戻ることにした。

    

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